播州織とは

兵庫県西脇市で江戸時代中期の寛政4(1792)年に比延庄村の宮大工であった飛田安兵衛が京都西陣から織物の技術を持ち帰ったのが起源と伝えられ、この地域では地域を流れる加古川、杉原川、野間川の水が染色にもっとも適した軟水であったため、好都合であったこと、西脇市域をはじめとする播磨国全体で、温暖な気候を生かした綿花栽培が盛んで、自給自足で衣料が作られていたことから、綿花を原材料とした織物が広がり、織物業が盛んになったとされています。その後、西脇市を中心に北播磨地域で生産されたため、当初は「播州縞」と呼ばれていましたが、明治時代後期に「播州織」と称されるようになりました。

播州織の一番の特徴は、糸を先に染め、染め上った糸で柄を織る「先染織物」という手法を用いることです。

その独特の製法により、自然な風合い、豊かな色彩、素晴らしい肌触りの生地に仕上がり、シャツやパンツ、ハンカチ、ストール、テーブルクロスなど様々な製品になります。

その中で私たち、岡治織物合資会社は、播州織のストールやマスクなどの装飾品や播州織の生地、暮らしを彩る播州織ファブリックパネル、自分だけのオリジナル播州織の生地を提案いたします。熟練の職人がジャカード織機を用い、糸の一本一本に心を込め、丁寧に表現された逸品をぜひご堪能ください。

織物の写真1

岡治織物の播州織の主な工程

染工場

糸を染める

播州織は先に糸を染める先染織物です。

サイジング工場

糸を糊付する
タテ糸を作る

繊細な糸を切れにくくするため、糸に糊付けをしながら織機に乗せられる専用の大きいボビンに、経糸となる約6400本の糸を巻く。

↑織りあがった生地 ↓糊付した糸

岡治織物合資会社

ジャカード織機で
生地を織りあげる

熟練の職人がジャカード織機で織りあげます。生地により手作業で加工を施すこともあります。

織物の写真2

ジャカード織とは

ジャカード織り。1800年代にフランスで発明されてからというもの、瞬く間に世界中へと普及しました。今日でも様々なシーンでジャカード織りは使用されており、複雑な模様を織り上げるには欠かすことのできない技術です。岡治織物では、工場に設備している全ての織機にジャカード機を搭載しております。シンプルな図案はもちろんながら、いかに複雑で緻密な図案でも、その細かなニュアンスを限界まで生地に再現することが可能です。

岡治織物が位置する兵庫県西脇市では、この地方に伝わる伝統技法による生産が一般的となっております。コットン素材を中心に、あらかじめ染められた糸を用いて生地へと織り上げる「播州織」。ムラのない均一で正確な色合いに長け、綿素材ゆえに肌触りも良く、多様な後加工にも最適です。

これらの技術と技法を用い、経験を積んだ職人たちがひたむきに生地へと織り上げます。多彩な色合いを、柔らかな肌触りを、ぜひその目と肌でお確かめください。

織物の写真2
作業場の風景